純米焼酎の郷・人吉球磨

人吉球磨は九州山地の只中にあり、これを源とする球磨川が永い年月をかけて、盆地を形成してきました。 
かつて700年近くにわたり相良家が領地としてきたこの地は、山深い地方であり、一見したところ稲作には向かないようにみえながら、実は谷間に隠れて多くの田圃があったのです。

相良藩では、そういった田圃(かくし田)で米を作らせ、その余剰米(一種の脱税ですね)で焼酎や清酒を造らせたわけです。藩をあげて酒造りを奨励していたこともあって、当蔵の創業当時は領内に蔵が170ほどもあったといわれています。太平洋戦争中から戦後にかけては、人吉球磨といえども米不足に陥り、芋焼酎が造られていた時期もあったそうですが、それ以外は一貫して米焼酎。

九州山地の伏流水と良質豊富な米、冬の冷涼な気候と三拍子揃ったこの地は、正に純米焼酎の郷なのです。

 現在、球磨焼酎には世界の産地指定がなされており、人吉・球磨で造られた純米焼酎でなければこの「球磨焼酎」という名を掲げることはできません。